健康診断で「甲状腺で引っかかった」と言われた場合
健康診断で「甲状腺で引っかかった」と言われた場合、
橋本病、バセドウ病、甲状腺腫瘍、甲状腺がん などの可能性があります。
いずれも 超音波検査や血液検査による専門的な診療 が必要となります。
当院では当日に両検査とも可能です。
甲状腺とは?
甲状腺は首の前にある小さな臓器で、体に必要な「甲状腺ホルモン」を作っています。
このホルモンは、体の代謝をコントロールする重要な役割を担っており、エネルギーの使い方・体温・心臓の働き・脳や筋肉の活動など、全身に関わっています。
普段はあまり意識されない臓器ですが、ホルモンの量が多すぎたり少なすぎたりすると、体調に大きな影響が出ることがあります。
甲状腺の病気とは?
健康診断で「甲状腺で引っかかった」と言われる場合、多くは血液検査やエコー検査で異常を指摘されたケースです。
代表的な甲状腺の病気には、次のようなものがあります。
バセドウ病
免疫の異常により甲状腺が過剰に働き、ホルモンが必要以上に作られます。
動悸・手の震え・体重減少・汗をかきやすいなど、代謝が活発になりすぎる症状が出ます。
橋本病
免疫の異常によって甲状腺の働きが低下していく病気です。
疲れやすい・むくみ・体重増加・気分の落ち込みなど、代謝が落ちて体が重くなる症状が出やすくなります。
甲状腺腫瘍
甲状腺にしこりができる病気です。ほとんどは良性ですが、一部は悪性(がん)のこともあり、精密検査が必要です。
放置するとどうなるの?
甲状腺の異常を放置すると、次のような健康リスクが高まります。
心臓への影響
ホルモンが多すぎると動悸・不整脈・心不全につながることがあります。
代謝異常
体重が急に減る、逆に増える、極端に疲れやすいなど、日常生活に支障をきたすことがあります。
骨の問題
甲状腺機能が高すぎる状態が続くと、骨粗しょう症になりやすくなります。
妊娠・出産への影響
女性では、妊娠のしやすさや流産・早産のリスクに関わることがあります。
腫瘍の進行
甲状腺にできたしこりが大きくなったり、まれにがんである場合もあります。
症状がなくても進行してしまうことがあるため、「大丈夫そうだから様子を見る」ではなく、早めに検査・診断を受けることが安心につながります。
当院でできる検査と治療
当院では、甲状腺の専門的な診療を行っています。
「健康診断で異常を指摘された」「数値が高いと言われた」方も、まずは正確に状態を把握することが大切です。
検査
血液検査
甲状腺ホルモン(TSH・FT3・FT4)や抗体の有無を調べ、甲状腺の働きを正確に評価します。
超音波検査(エコー)
甲状腺の大きさや腫れ、しこりの有無を確認できます。放射線を使わないため、体に負担がありません。
治療
内服治療
ホルモンが多すぎる場合は抑える薬、少なすぎる場合は補う薬を使用します。
副作用のチェックや定期的なフォローを行いながら、安全に治療を進めます。
生活指導
食事や日常生活の工夫についてもサポートいたします。
長期的なフォロー
甲状腺の病気は慢性的に経過することが多いため、安心して通院いただけるよう継続的に見守ります。
甲状腺に
異常がなかった場合も
健康診断で「甲状腺で引っかかった」と指摘されても、詳しく検査してみると大きな異常がないケースもあります。
しかし、そのような場合でも「疲れやすい」「冷えやすい」「むくみがとれない」など、体調の不調を感じて受診される方は少なくありません。
当院には漢方に精通した医師がおり、検査で大きな異常が見つからなかった方にも、体質や症状に合わせた漢方治療を提案することが可能です。
「なんとなく体調がすぐれない」「検査は正常だけれど不安がある」といった場合も、お気軽にご相談ください。
まとめ
「甲状腺で引っかかった」と言われても、その背景にある病気や状態はさまざまです。
自覚症状がなくても、放置すると体に大きな影響を及ぼすことがあります。
当院では糖尿病と甲状腺の両方を専門的に診療しており、幅広い知識と経験で患者さんをサポートします。
不安を感じたら、お一人で抱え込まずに、ぜひ一度ご相談ください。