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むくみ(浮腫)

むくみ 体重増加する?

むくみ 体重増加する?むくみとは皮膚の下の組織に水分がたまってしまっている状態で、医療用語では浮腫といいます。多くの場合、血管から血液の中の水分が漏れ出した状態です。人体は常に重力による影響を受けていますので、むくみは一般的に下肢に多く、原因としては、塩分の過剰摂取、水分の過剰摂取、座りっぱなしの仕事、立ちっぱなしの仕事など同じ姿勢を続ける方にも日常的にあらわれやすい症状です。また、むくみ心臓、腎臓、肝臓など様々な臓器の疾患でもあらわれることがあります。むくみは体重の5~10%程度水がたまると目に見えるようになりますが、それ以前に目に見えないむくみがおこっていることもあります。すこしでもだるさ(倦怠感)を感じるようなことがあれば、お早めに受診してください。

このような症状はありませんか?

  • 尿の量が減ってきた
  • 足が痛む
  • 足首や脛が腫れていてその部分を指でおすとへこんでなかなか元もどらない
  • 足の血管がポッコリと浮いてみえる
  • 急に数kgも体重が増えた(60kgの人なら3~5kg程度)
  • 息切れ
  • 疲れやすくだるい(易疲労感と倦怠感)

など

むくみの原因

むくみは、立ちっぱなし、座りっぱなしの姿勢が続く生活、運動不足、水分や塩分の過剰摂取といった日常的な行動からあらわれることもあります。しかし、多くの場合、むくみは血管から水分が漏れ出すことでおこりますので、血管に障害がおこっていることが多く、その原因は心臓病、腎臓病、肝臓病など様々です。中でも、エコノミークラス症候群のように足に血栓ができて全身のどこかに重大な障害がおこる可能性のある疾患の徴候としてむくみがあらわれる可能性もありますので、注意が必要です。以下にむくみをおこしやすい疾患の代表的な例を挙げておきますので、参考にしてください。

心臓機能低下

何らかの心疾患で心機能に障害がおこると、全身への血流が不足して、末梢の細胞が酸素不足になります。そのため、腎臓では尿をつくる機能が低下してしまい、水分排泄が滞ることでむくみが生じます。これによって最初は足にむくみがあらわれますが、進行すると肺に水がたまる肺水腫をおこし、さらに酸素の供給が低下して、少しうごいただけでも息切れがするなどの症状があらわれます。

腎臓機能低下

心不全だけではなく、腎臓自体の疾患、糖尿病など多くの疾患で腎機能は低下します。それによって、水分や老廃物、余分なナトリウムといった物質を体外に排出できなくなり、むくみが生じます。また腎機能低下により、尿にたんぱくが出るようになると、血液中のたんぱくが減少するためにおこるむくみもあります。

肝機能低下

肝臓の疾患によって肝機能に障害をうけると、肝臓による毒素の分解、たんぱくの合成、栄養の貯蔵といった生体活動に必要な様々な機能が低下します。とくにアルブミンというたんぱく質が不足してきます。アルブミンは血漿中で水分を保持する働きをしていますので、不足すると水分を保持できなくなり、血管から水分が滲出してしまい、むくみを生じることになります。
また、肝機能障害が進行して肝硬変になると、肝臓内に血液が流れこみにくくなり、水分が過剰になってむくみが生じます。

甲状腺機能低下

甲状腺ホルモンは、身体の代謝を活性化する大切なホルモンです。甲状腺機能が低下して甲状腺ホルモンが不足してくると、代謝が行われにくくなり、むくみ、体重増加、冷え、便秘や疲れやすさ、やる気のなさなどの症状があらわれます。
更年期障害、うつ病など似たような症状の疾患がありますので、血液検査で内分泌機能を計測することで診断が可能です。薬物療法を中心とした、適切な治療で改善可能です。

急性肺動脈塞栓症(エコノミークラス症候群)

座った姿勢を長時間続けて足を動かさないと、足の静脈に血栓ができます。できた血栓が心臓を通して肺動脈で詰まってしまうことで急激に肺動脈の血流が失われます。海外渡航の飛行機など、狭い場所が足を動かせない状態で長時間座り続けることで発症するため、エコノミークラス症候群と言われますが、その他にも長時間の運転、災害時の車中泊などでおこることもあります。症状は急激な足のむくみから、息切れ、胸痛、呼吸困難など重篤なものもあり、救急対応での受診が必要です。

下肢静脈瘤

足は心臓から一番遠くにある部位で、足の細胞に使われた血液を重力にさからって心臓にもどすためには、ふくらはぎの筋肉をポンプのように使う必要があります。そのためふくらはぎは第二の心臓とも言われているほど重要な筋肉です。この筋肉を使わずにいて筋力低下がおこると足の血液がうっ滞し、足のむくみ、静脈瘤ができて血管がコブのように盛り上がるといった症状がおこります。血栓による重篤な合併症などはありあせんが、重症化すると足の皮膚に潰瘍が生じたり、壊死をおこしたりすることがあります。

むくみの検査

まずは問診で、むくみの始まった経緯やタイミング、既往症や現在治療中の病気がないか、服用している薬、水分摂取や食事の状態など詳しくお聞きします。その後触診や視診でむくみの状態を確認します。こうした情報を手がかりに、日常的なむくみか、緊急性の高い疾患によるむくみかを切り分け、必要に応じて心電図検査、腹部超音波検査、頸部超音波検査などを行います。また全身状態や炎症、内分泌機能、感染、貧血、BNP(心不全の程度が重くなるに従い、数値が高くなる)、腎機能、肝機能など多方面にわたって確認します。
深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症(血栓が原因物質となる肺塞栓)などが疑われる場合、Dダイマーという血栓の主要成分が血中に溶け出した物質を計測することもあります。

むくみ解消するためには?

疾患によるむくみの場合は、それぞれの疾患にあわせて適切な治療を行います。心疾患などの場合、程度によっては、当院と連携する高度医療機関の循環器科を紹介して治療をうけていただくこともあります。
日異常生活が原因となっているむくみの場合は、食事、水分摂取、運動といった日常生活の改善が重要になってきます。

マッサージ、ストレッチ、体位など

足のむくみは、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋=腓腹筋とヒラメ筋)をしっかり使えていないことが主な原因です。そのため、ふくらはぎを下から柔らかくなであげるようにマッサージすることで、心臓方向への血流を促進してむくみが解消しやすくなります。
また、立って行うストレッチとしては、足を大きく一歩踏み出してふくらはぎ全体をのばすようにしてからもどすという動作を左右何度か繰り返すなどの方法があります。
座り仕事が長い場合は、足のかかととつま先を交互にもちあげておろすという動作を繰り返すだけで、ふくらはぎのストレッチになります。
また、リラックスする際や眠るときにやや足を頭より高くすることで、血液が心臓にもどりやすくなりむくみが解消されます。

食事(食べ物)

食事(食べ物)塩分は身体に水分を保持する働きがあります。塩分を制限することや、ナトリウムを排出しやすくするような食品はむくみを解消します。また、身体から水分を排出する働きのある食物を摂ることでむくみを解消することができます。

カリウム豊富な食品

ナトリウムの働きと拮抗しているのがカリウムで、身体にカリウムが増えるとナトリウムが減る傾向があります。そのためカリウムが豊富な食品を摂取することはむくみの解消に役立ちます。具体的には、バナナ、アボカド、スイカ、キウイフルーツ、ホウレンソウ、切り干し大根、パセリなどの果物や野菜に豊富なカリウムが含まれています。ただし腎障害のある患者さんでは高カリウム 血症に注意が必要です。腎臓に異常の指摘をされたことのある患者さんは一度、医師に相談してください。

ショウガ

ショウガのもつ抗炎症作用によってむくみをやわらげる効果がありあます。また、身体が温まり血行が促進されることでも効果があります。ショウガ茶、ショウガの炊き込みごはん、ショウガの豊富な炒め物など料理で活用してみましょう。

クランベリー

クランベリーは日本語ではコケモモと言い、ツツジ科のツルコケモモ亜種の果実です。利尿作用、抗酸化作用などによって老廃物を体外に排出したり、炎症を鎮めたりする効果があります。

パセリ

パセリには利尿作用があります。またカリウムも豊富ですので、むくみの解消に効果の高い野菜です。やわらかくて食べやすいイタリアンパセリも栄養素などはほとんど同じですので、お好みで、サラダ、料理の薬味などの他、炒めものにするのも良いでしょう。

柑橘類

オレンジ、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘類は利尿作用があるため、体内の水分の排出に役立ち、むくみの解消に効果的です。そのまま食べることや、レモンなどはレモン水のように水を加えてのむことでさらに尿量を増やすため効果的です。

運動

運動激しい運動をする必要はありません。日常的にとにかく歩くことによって、ふくらはぎの下腿三頭筋の運動になります。漫然と歩くだけでも良いのですが、慣れてきたら、つま先でしっかりと蹴り出し、ふくらはぎを意識しながら広めに歩幅をとり、かかとで着地するという歩き方が効果的です。大切なことは、続けることですから無理をせずに、できる範囲で毎日続けましょう。
また、座り仕事の人や長距離の運転、列車による移動などではこまめに立って歩いくことや、かかとのあげさげをするなどの工夫をしましょう。

弾性ストッキングの使用

医療用の弾性ストッキングは、足首の部分に強い圧力をかけて、ふくらはぎからひざにかけてだんだん圧力を弱くしていくように工夫されているため、ふくらはぎのもつポンプ機能を補助し、静脈の逆流を防ぐことができます。そのため下肢静脈瘤、足静脈の弁の障害などのある方にも効果が期待できます。ただし、サイズがあわないものを着用した場合や、誤った履き方をした場合には逆効果になることもありますので、医師の指導のもと、正確に着用するようにしてください。