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気管支ぜんそく

気管支ぜんそくとは

気管支ぜんそくとは気管支ぜんそくは、気道に何らかの原因で炎症を繰り返すため、だんだんその部分が肥厚し、敏感になって、少しの刺激で痙攣をおこし気道が狭窄することでおこります。多くの場合は、ダニを含むハウスダスト、ペットの毛やフケ、カビ等によるアレルギー反応ですが、その他にも特定のにおい、寒暖差など気候の急激な変化、ストレスなどによるもの、原因のはっきりしないものなどがあります。
日本では10人に1人程度に気管支ぜんそくがあると言われている一般的な疾患です。子どもの頃に発症する小児ぜんそくは年齢を経るとともに改善することが多いのですが、時には高齢になってから発症することもあります。

気管支喘息の症状

何らかの刺激でぜんそく発作をおこすと、気管支などが痙攣をおこして、その部分が狭くなり、呼吸が困難になります。そのためにおこるヒューヒュー・ゼイゼイという呼吸にともなう喘鳴(ぜんめい)が気管支ぜんそくに特徴的な症状です。

気管支喘息の診断

気管支喘息の診断問診を行った後、聴診にてぜんそくに特有の呼吸音があるかどうかを確認します。その後、呼吸機能検査、喀痰検査、呼気NO(一酸化窒素)検査、血液検査などを行います。血液検査ではアレルギーの有無や炎症の状態、呼吸機能検査では気道の空気の流れ、喀痰検査では感染の有無、呼気NO検査では慢性的炎症の有無などの確認をしていきます。
一度ぜんそくと診断されると、生命保険などの加入や手術の際の全身麻酔、造影検査などに制限がかかることもありますので、様々な要素を慎重に検討して診断します。

気管支喘息の治療

治療の基本はできるだけぜんそく発作をおこさないことです。そのためには、アレルギー対策や禁煙などに日常生活の改善を行うとともに、日常的にステロイドの吸入薬などを使用して発作を予防していきます。吸入ステロイドの場合、患部だけにピンポイントで作用するため、全身的なステロイドの副作用の心配はなく、常用が可能です。
成人のぜんそくの場合、アレルギーが6割、その他原因不明が4割という報告があります。
アレルギーが判明している場合は、抗アレルギー薬などの処方も行いますが、日常的にアレルゲンを避けることも発作防止になります。
もし、発作がおこってしまった場合は、即効性のあるβ2刺激薬やムスカリン受容体拮抗薬などの吸入薬を使用して発作を鎮めます。
発作を何度も繰り返し増悪するようなケースでは、呼吸器専門の医療施設を紹介して、高度な治療を受けていただけるようにします。

その他のアレルギー性肺疾患について

過敏性肺炎

過敏性肺炎は、肺の中で二酸化炭素を酸素のガス交換をおこなっている肺胞や肺の中の末端の細い気管支の内部などでおこる炎症による肺炎です。原因は細菌やウイルスによる感染症ではなく、カビやキノコの胞子などの有機物や化学物質などを吸い込み続けた結果おこるアレルギー性の炎症です。
主な症状としては、乾性の咳(痰をともなわないもの)、息切れ、発熱などがあらわれます。
原因となる物質から遠ざかることで自然に軽快することが多いのですが、特定の環境(特定の物質を使用する工場など)で原因物質に長期間触れ続けた場合などでは、炎症が続くことで肺組織が繊維化してしまっていることもあります。重症化した場合は酸素吸入、ステロイド薬の内服などで対応します。

好酸球性肺炎

好酸球は白血球の構成要素の一つの顆粒球によってひきおこされるアレルギー性の肺炎です。好酸球は、本来は寄生虫などを排除する働きをもっていますが、アレルギー性の炎症に関係することでも知られています。カビや特定の化学物質などのアレルゲンを吸い込んでしまうことが原因となって好酸球が反応することで肺に炎症がおこります。
アレルゲンが特定できる場合は、できるだけアレルゲンに触れないように環境をかえることで自然治癒していくこともあります。薬物療法としては、ステロイド治療が第一選択となります。

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症

アスペルギルスは、自然環境のなかで広く存在する真菌(カビ)の一種で、肺に持病がある場合や、抵抗力が弱っているときなどには、肺や気管支に比較的感染をおこしやすくなる傾向があります。
またアスペルギルスはアレルゲンとなることもあり、アスペルギルスアレルギーの方は吸引してしまうことで炎症などのアレルギー反応をおこします。とくに気管支ぜんそくのある方は、この反応がおこりやすい傾向があります。このアレルギー反応による気管支や肺の症状がアレルギー性気管支肺アスペルギルス症です。血液検査でアスペルギルスに対する特異的IgE抗体があるかどうかを調べて診断を行い、通常のぜんそくの治療に加えて、ステロイド薬の内服をおこない本疾患の治療も行います。