ブルーベリーで血糖値改善は本当?医師が教える正しい食べ方と効果

ブルーベリーは血糖値やHbA1cの改善が期待できる優れた果物ですが、食べ方を誤ると逆効果になることも。この記事では、糖尿病専門医の立場から、ブルーベリーの健康効果と絶対に避けるべき食べ方、そして効果を最大限に引き出す実践法を解説します。
ブルーベリーが持つ5つの健康効果

血糖値とHbA1cへの影響
糖尿病患者を対象とした臨床試験では、ブルーベリー摂取により空腹時血糖の低下やHbA1cの改善、インスリン抵抗性の改善が報告されています。ブルーベリーの紫色の色素であるアントシアニンは、数ある果物や野菜の中でもトップクラスの抗酸化作用を持ち、糖の吸収を緩やかにする働きがあると考えられています。さらに豊富な水溶性食物繊維との相乗効果で、血糖値の上昇カーブが緩やかになり、インスリンの効き目を高める可能性があります。
この抗酸化作用は血管の老化を防ぐ働きも期待されており、動脈硬化による脳梗塞・心筋梗塞・腎症などの合併症リスクの軽減にもつながる可能性があるとされています。血管は年齢とともに老化しやすく、特に慢性的に血糖値が高い方は血管が傷みやすい傾向があります。
体重管理への期待
ブルーベリーに含まれるアントシアニンは、体内の酸化ストレスを軽減し、脂肪燃焼をサポートする可能性があると言われています。年齢とともに基礎代謝が低下し、若い頃に比べて痩せにくくなったと感じる方も多いでしょう。豊富な食物繊維は満腹感を持続させる働きがあるため、低カロリーで低糖質なブルーベリーは、糖尿病の管理やダイエット時の間食としても活用できます。
免疫機能のサポート
免疫細胞のピークは20代と言われ、50代では加齢による免疫力の低下が顕著に現れることがあります。ブルーベリーにはビタミンC、ビタミンEといった抗酸化物質が豊富に含まれており、特にビタミンEは「若返りビタミン」と呼ばれるほど抗酸化作用が高いとされています。これらは免疫細胞を活性化し、体内の炎症を抑える作用が期待されています。特に糖尿病では高血糖が続くことで免疫力が落ちやすいため、抗酸化作用による炎症抑制は感染症予防や合併症対策としても意味があると考えられます。
疲労回復への可能性
アントシアニンは疲れやすくなる原因のひとつである活性酸素を減らす作用があり、筋肉の疲れやだるさを和らげる可能性があります。ビタミンEは血液の流れをよくする働きがあり、疲れた筋肉や体の隅々まで栄養や酸素が届きやすくなることで、疲労回復をスムーズにすることが期待されます。実際、アスリートを対象とした研究では、ブルーベリー摂取により筋肉痛の回復が早くなり、パフォーマンスも維持できたというデータがあります。ビタミンCは肌や血管の健康維持にも役立つため、疲れによる顔色の悪化にも良い影響を与える可能性があります。
認知機能への影響
40〜50代あたりから、短期記憶・長期記憶をはじめとする様々な認知機能が低下していく傾向があります。ブルーベリーに含まれるフラボノイドにはそれを改善する効果が期待されており、アメリカ化学会の研究では、記憶力の低下が見られる70代のボランティアグループに2ヶ月間ブルーベリーを食べてもらったところ、摂取しなかった人と比べて学習と記憶のテストで大幅な改善が見られたという結果が発表されています。糖尿病の期間が長い方は認知症のリスクが2倍以上になるとも言われており、血糖値の改善と認知機能の維持を同時にサポートしてくれる可能性があるブルーベリーは、心強い味方となるかもしれません。
絶対に避けたい3つの危険な食べ方

一度にたくさん食べること
体にいい食材と聞くと、つい多く食べてしまいがちですが、どんなに優れた食材でも「過ぎたるは及ばざるが如し」です。ブルーベリーに含まれる果糖は主に肝臓で代謝されますが、一度に大量に摂ると肝臓が処理しきれず、余った果糖が中性脂肪に変わり脂肪肝として蓄えられます。その結果、肝臓でのインスリンの効きが悪くなり、血糖コントロールが上手くいかず、HbA1cが悪化する恐れがあります。
1日の中で数回にわけて少しずつ食べることをおすすめします。アントシアニンは体内に長く留まらないため、数回に分けることでその効果を持続させることも期待できます。ブルーベリーに限らず、一度にたくさん食べると食後高血糖の原因になります。小分けにして満腹感が得られない場合は、炭酸水を一緒に摂取すると良いでしょう。
朝イチの空腹時にブルーベリー単体で食べすぎること
血糖値が気になる方や糖尿病予備軍の方にとって、空腹時にブルーベリーだけを食べると血糖値を急上昇させるリスクがあります。他のタンパク質や脂質が何も入っていない状態でいきなり糖質であるブルーベリーだけを摂取すると、糖質が速やかに吸収されて血糖値が跳ね上がりやすくなる可能性があります。
朝ご飯にブルーベリーを取り入れたい場合は、タンパク質が豊富なギリシャヨーグルトと一緒に食べたり、朝ごはんをしっかり食べてからデザートとしてブルーベリーをプラスすることで、ブルーベリーの恩恵を受けながら血糖値の急上昇を防ぐことができます。
加糖ヨーグルト・加糖シリアルなどと一緒に食べること
これは本当に多くの方がやっている最も避けたい組み合わせです。甘いヨーグルト、甘いシリアル、グラノーラには、すでに多くの砂糖や果糖ぶどう糖液糖が含まれています。これが血糖値スパイクを起こす主な原因となり、肥満や血糖値の悪化、最終的には腎臓への負担増大といった深刻な状態につながる恐れがあります。
ヨーグルトと一緒に食べること自体は素晴らしい組み合わせですので、加糖ヨーグルトではなく無糖ヨーグルトを選び、甘さが欲しい場合はラカント・オリゴ糖・はちみつなど、血糖値への影響が少ない天然甘味料を少量混ぜるなど、ちょっとの工夫で体への影響は大きく変わります。甘いシリアルやグラノーラはできれば避けていただきたいですが、もし食べる機会があれば週1回程度にするか、糖質オフのものを選ぶといった工夫をおすすめします。
ブルーベリーの効果を最大限引き出す3つの方法

摂取目安量を意識する
糖尿病患者さんのフルーツ摂取目安量は1日150〜200gとされており、ブルーベリーであればだいたい100粒程度が目安です。一度に食べると血糖値を上げてしまいますし、アントシアニンは体内に長く留まらないため、1日数回にわけて摂取することで効果を持続的に得ることが期待できます。
生ではなく冷凍ブルーベリーで摂取する
ブルーベリーは冷凍することで効果が高まることが研究でわかっています。冷凍するとアントシアニンなどの抗酸化成分が体に吸収されやすくなる可能性があります。さらに冷凍のメリットはコストパフォーマンスと保存性に優れていること。生だと冷蔵でせいぜい1週間ですが、冷凍なら栄養価をキープしたまま長期保存が可能です。価格も生より手頃なので続けやすいという点でも優れています。
相性がいい食材と一緒に食べる
カッテージチーズ
牛乳から脂肪分をほとんど取り除いて作られているため、低脂質で高タンパクな点がおすすめポイントです。タンパク質は筋肉をつくるだけでなく、血糖値の安定にも大きな役割を果たすと考えられています。ブルーベリーの糖質と一緒に摂ることで、血糖値の急上昇をやわらげる可能性があります。さらにカッテージチーズはカルシウムも豊富で、骨や歯を丈夫にするだけでなく、筋肉や神経の働きにも関わるため、50代以降の健康維持に役立ちます。クセが少なく、ブルーベリーの甘酸っぱさと組み合わせるとさっぱり美味しくいただけます。
リンゴ酢
アントシアニンの抗酸化作用とリンゴ酢に含まれるクエン酸や酢酸の働きが合わさることで、血糖値の安定に効果的である可能性があります。便通改善や腸内環境のサポートにもつながるため、便秘で悩まれている方にもおすすめです。1日大さじ1〜2杯が目安となります。
市販の飲むお酢には砂糖や果糖ブドウ糖液糖などの甘味料が含まれている場合があり、血糖値を上げてしまうリスクがあるため、無糖の炭酸水にリンゴ酢と冷凍ブルーベリーを入れてオリジナル炭酸飲料を作ることをおすすめします。
ミックスナッツ(アーモンド・くるみなど)
ナッツに豊富なビタミンEやオメガ3脂肪酸は、アントシアニンの吸収を助けて抗酸化力をさらに強化する可能性があります。特にくるみは「脳にいい食べ物」と昔から言われており、近年の研究でも記憶力や集中力の維持、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げる効果が期待されています。ナッツ類は食べ過ぎに注意し、手のひらに軽く乗る程度を目安にしましょう。
誰でも作れるカンタンレシピ2選
実際の診療でも患者さんから「どうやって食べればいいですか?」と質問をいただくことが多いため、簡単に作れるレシピをご紹介します。
ブルーベリージュース

材料(1杯分)
- 冷凍ブルーベリー:20g
- 無糖炭酸水:150〜200ml
- リンゴ酢:大さじ1〜2杯
- カロリー:約14〜17kcal
作り方
氷の代わりに冷凍ブルーベリーをそのまま入れ、無糖炭酸水とリンゴ酢を加えるだけ。お好みで量を調整してください。ほどよい甘さと酸味のバランスが良く、罪悪感なく飲めます。カロリーも低いため、総摂取カロリーを考えた食事を取っている方でも取り入れやすいでしょう。
ブルーベリーレアチーズケーキ風

材料(1人分)
- 冷凍ブルーベリー:30g
- カッテージチーズ:30g
- レモン汁:数滴
- ラカント:小さじ1杯程度
- カロリー:約50kcal
作り方
材料を全てお皿に入れて混ぜるだけ。たったの50kcalなのに満腹感と満足感を両方得られるデザートができあがります。市販のレアチーズケーキは200kcal以上、糖質量も25g前後あることが多いため、大幅にカロリーと糖質をカットできます。ラカントはカロリーゼロ・糖質ゼロの天然甘味料なので、血糖値にも影響を与えにくいとされています。物足りない場合は、りんごやナッツを加えても良いでしょう。
よくある質問
ブルーベリーは毎日食べても大丈夫ですか?
適量であれば毎日食べても問題ないと考えられています。糖尿病患者さんの場合、フルーツ全体で1日150〜200g程度が目安とされており、ブルーベリーなら約100粒程度です。ただし個人差がありますので、主治医に相談しながら適量を見つけることをおすすめします。
生のブルーベリーと冷凍ブルーベリー、どちらがいいですか?
冷凍ブルーベリーの方が抗酸化成分の吸収率が高まる可能性があり、長期保存も可能で価格も手頃なため、継続しやすいという利点があります。栄養価も冷凍によってほとんど損なわれないと考えられています。
ブルーベリーサプリメントでも同じ効果が得られますか?
サプリメントには特定の成分が濃縮されている一方、生のブルーベリーには食物繊維や様々な栄養素がバランスよく含まれています。可能であれば食品としてのブルーベリーを摂取することをおすすめしますが、サプリメントを利用する場合は主治医に相談してください。
糖尿病の薬を飲んでいますが、ブルーベリーを食べても大丈夫ですか?
適量であれば問題ないと考えられますが、血糖降下薬を服用している場合は低血糖のリスクもあるため、必ず主治医に相談してください。ブルーベリーの摂取量やタイミングについても医師の指導を受けることをおすすめします。
ブルーベリーを食べると血糖値が上がることはありますか?
ブルーベリーには糖質が含まれているため、食べ過ぎや食べ方によっては血糖値が上がる可能性があります。一度に大量に食べたり、空腹時に単体で食べたりすることは避け、適量を他の食材と組み合わせて摂取することが大切です。
ブルーベリーはいつ食べるのがいいですか?
朝食時に食べるか、ヨーグルトやナッツと一緒におやつとして食べることをおすすめします。
ブルーベリー以外におすすめの果物はありますか?
いちご、キウイフルーツ、グレープフルーツなど、糖質が比較的低く食物繊維が豊富な果物がおすすめです。ただし、果物の種類や量については主治医に相談しながら決めることをおすすめします。
ブルーベリーを食べると便秘が改善しますか?
ブルーベリーには水溶性食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整える働きが期待されています。ただし、便秘の原因は様々であり、ブルーベリーだけで必ず改善するとは限りません。水分摂取や運動など、総合的な生活習慣の改善が大切です。
ブルーベリーにアレルギーはありますか?
ブルーベリーによるアレルギーは稀ですが、報告されています。初めて食べる場合は少量から始め、かゆみや発疹、腹痛などの症状が出た場合はすぐに中止し、医療機関を受診してください。
HbA1cが高い場合、ブルーベリーは控えた方がいいですか?
HbA1cが高い場合でも、適量であれば食べられる可能性がありますが、まずは主治医に相談することが重要です。血糖コントロールの状態や他の食事内容を総合的に判断し、適切な摂取量を決定する必要があります。
まとめ
ブルーベリーは血糖値やHbA1cの改善、体重管理、免疫機能のサポート、疲労回復、認知機能への良い影響など、様々な健康効果が期待できる優れた果物です。特に50代以降の方の健康維持に役立つ可能性があると考えられています。
ただし、一度に大量に食べたり、空腹時に単体で食べたり、加糖食品と組み合わせたりすると、効果が得られないばかりか逆効果になる恐れがあります。1日数回に分けて適量を摂取し、冷凍ブルーベリーを活用し、カッテージチーズ・リンゴ酢・ミックスナッツなど相性の良い食材と組み合わせることで、ブルーベリーの効果を最大限に引き出すことが期待できます。
ブルーベリーの効果には個人差があり、他の食事や運動、薬物療法などを含めた総合的な管理が重要です。必ず主治医に相談しながら、ご自身に合った食べ方を見つけてください。
参考文献
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糖尿病患者へのブルーベリー摂取の効果に関する臨床試験
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20724487/ -
アスリートにおけるブルーベリー摂取と筋肉痛回復の研究
https://jissn.biomedcentral.com/articles/10.1186/1550-2783-9-19 -
高齢者におけるブルーベリー摂取と認知機能改善の研究
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9031005/ -
日本糖尿病学会 糖尿病診療ガイドライン
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厚生労働省 e-ヘルスネット
更新日:2026年2月9日


