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糖尿病に果物はダメ?HbA1cが悪化する人の共通点

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果物で糖尿病が悪化する人の特徴

監修:薗田憲司(内科医師・糖尿病専門医)|そのだ内科クリニック(東京都渋谷区)

 

糖尿病でも果物はダメではない—ただし管理が前提

糖尿病がある方でも、適切な管理のもとで果物を食べることは可能です。むしろビタミン・食物繊維を含むため摂り方によってはプラスに働きます。

果物の目標摂取量は1日200g(みかん約2個、りんご約1個に相当)。この量を守りつつ、1日の総カロリーとPFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物のバランス)を整えることが、果物と上手に付き合うための基本的な考え方です。

ただし、同じ量を食べた場合でも血糖値の変化には個人差があります。自己判断で食事を変更する前に、必ず担当医や管理栄養士にご相談ください。

主治医が「果物ダメ」と言う理由とは

「食べ過ぎのリスク管理」という意図があることが多いです。同じ「りんご1個」でも、大きさや品種によって糖質量は大きく異なります。また、季節によって甘さが変わるため、同じ個数を食べても摂取カロリーが変動します。

こうした管理の難しさを考慮して、保守的に「控えましょう」と指導される場合があります。

 

糖尿病に果物がダメと言われる——HbA1cが悪化する人の共通点

糖尿病が悪化する果物の食べ方

健康に良いと思い果物を食べているのにHbA1cが改善しない、あるいは悪化してしまう方には、いくつかの共通したパターンが見られます。

ドライフルーツを「果物の代わり」に食べている

乾燥により水分が抜けることで、糖質が生の果物と比較して大幅に凝縮されます。例えば、ぶどうをレーズンに加工すると、糖質量は生の状態の約5倍になるとされています。噛みごたえが軽いため満腹感を得にくく、気づかないうちに大量を摂取してしまいやすい点も課題です。果物はできるだけ生のものを選ぶことが望ましいと考えられています。

フルーツジュースを「健康飲料」として飲んでいる

ジュースに加工する過程で食物繊維の多くが失われるため、糖分だけを急速に吸収してしまう状態になります。液体は固形物と比べて吸収スピードが速く、特に朝の空腹時に飲むと血糖値が急上昇しやすいので注意が必要です。

食事全体のカロリーがオーバーしている

「果物のせいでHbA1cが上がった」と感じている方でも、実際には果物以外も含めた食事全体のカロリーオーバーが原因であるケースが多いです。果物は健康に良いイメージがありますが、食事量をそのままにしてプラスで食べてしまうとカロリーオーバーしてしまいます。

 

 

糖尿病の人に「ダメな果物」と「おすすめの果物」

控えた方がいい果物3選

1個あたり糖質が30g前後含まれており、果物の中でも糖質量が高めです。果肉が柔らかく食べやすいため、知らずに過量摂取してしまう可能性があります。

マンゴー

糖質の中でも果糖の割合が高い果物です。果糖は血糖値を急激に上昇させにくいとされる一方、過剰摂取によって肝臓で中性脂肪に変換されやすく、脂肪肝やインスリン抵抗性の悪化につながる可能性があると報告されています。

ぶどう

小粒のため食べ過ぎやすく、食物繊維が少ないため血糖値の上昇が緩やかになりにくい特徴があります。小粒10粒で糖質は約10g前後、角砂糖に換算すると3個分ほどに相当します。もし食べる場合は、皮ごと摂取して食物繊維を一緒に摂る、または冷凍ぶどうにして噛む回数を増やすといった工夫が必要です。


 

なお、これらの果物も「絶対に食べてはいけない」わけではありません。1日80kcal・150〜200gという目安の範囲内で、一度に食べずに数回に分けて摂取することが食べ過ぎ防止に役立ちます!

 

糖尿病の方におすすめの果物3選

バナナ

糖質量が多い果物ですが、水溶性・不溶性両方の食物繊維をバランスよく含んでいる点が特徴です。完熟より青みが残るバナナの方がレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)を多く含み、血糖値の上昇が緩やかになる可能性があります。

バナナの熟度とGI値

りんご

ペクチンという水溶性食物繊維を豊富に含んでいます。シャキッとした食感と適度な酸味が満腹感を高め、食べすぎを防ぎやすい食品でもあります。小さめなら1個、大きめなら半分を目安とすることが考えられます。

ブルーベリー

アントシアニンという抗酸化物質を豊富に含んでいます。アントシアニンには血糖値を安定させる働きがある可能性があると複数の研究で報告されており、近年アメリカを中心に糖尿病管理との関連で注目されています。

少量を毎日摂り続けることが理想的です。また、抗酸化作用は血管の老化予防にも役立つ可能性があり、糖尿病の合併症(網膜症・腎症・神経障害)リスク管理の観点からも注目されています。


 

これら3つの果物はいずれも腸内環境の改善に寄与する食物繊維や抗酸化物質を含んでいる点で、糖尿病の方に適していると考えられます。

 

よくある質問(FAQ)

糖尿病でも果物は食べていいのですか?

日本糖尿病学会のガイドラインでは1日80kcal・150〜200g(可食部)を目安としています。ただし、個人の血糖コントロール状態や服薬・インスリン使用の有無によって適切な量は異なりますので、担当医や管理栄養士にご相談ください。

果物はいつ食べるのが一番いいですか?

空腹時に単独で摂取すると血糖値が上昇しやすくなる場合があります。食事の中で他の食品(タンパク質・脂質・食物繊維)と一緒に摂るか、食後のデザートとして少量摂取する方法が血糖値の急上昇を抑えやすいと考えられています。

バナナは糖尿病に悪いですか?

適量(1日1本程度)であれば、食物繊維による血糖値上昇の緩和効果が期待できます。青みが残るバナナはレジスタントスターチを多く含み、完熟のものより血糖値への影響が緩やかになる可能性があります。ただし1日2本以上の摂取は糖質過多になりやすいため注意が必要です。

毎日果物を食べなければいけませんか?

毎日200gを厳密に摂取する必要はありません。毎日の摂取が難しい場合や、血糖コントロールがうまくいっていない時期には、2〜3日に1度のペースで取り入れることも現実的な選択肢です。

果物を食べるとき注意すべきことは何ですか?

主な注意点として、①1日の目安量(80kcal・150〜200g)を守ること、②食事全体のカロリーバランスを崩さないよう主食から引き算すること、③空腹時の単独摂取を避けること、④ドライフルーツやジュースでの代替を避けること、⑤個人差があるため食後血糖値を確認すること、が挙げられます。詳細については担当医・管理栄養士にご相談ください。

 

まとめ

糖尿病のある方にとって、果物は「絶対にダメな食品」ではなく、「正しい知識と管理のもとで取り入れることができる食品」です。

重要なのは以下の3点です。

①1日の目安量(80kcal・150〜200g)を守り、食事全体のカロリーバランスを崩さないこと。

②ドライフルーツ・フルーツジュースでの代替は避け、できるだけ生の果物を選ぶこと。

③糖質が多めの果物(柿・マンゴー・ぶどうなど)は量と頻度に注意し、食物繊維が豊富なバナナ・りんご・ブルーベリーなどを上手に活用すること。

ただし、果物の血糖値への影響には個人差があります。同じ食品を食べても、血糖値の変化はひとりひとり異なります。本記事の内容を参考にしつつ、食事内容の変更については必ず担当医や管理栄養士にご相談ください。

 

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参考文献:

  • 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」
  • 厚生労働省「健康日本21(第三次)」果物の摂取目標
  • Threapleton DE, et al. "Dietary fibre intake and risk of cardiovascular disease: systematic review and meta-analysis." BMJ. 2013;347:f6879.
  • Weickert MO, Pfeiffer AFH. "Impact of Dietary Fiber Consumption on Insulin Resistance and the Prevention of Type 2 Diabetes." J Nutr. 2018;148(1):7–12.
  • Calvano A, et al. "Dietary fiber and gut microbiome in type 2 diabetes." Nutrients. 2021;13(7):2380.
  • 農林水産省「果物の栄養成分と健康効果」
  • Stull AJ, et al. "Bioactives in Blueberries Improve Insulin Sensitivity in Obese, Insulin-Resistant Men and Women." J Nutr. 2010;140(10):1764–1768.

免責事項:

本記事は、一般的な医学情報の提供を目的としており、特定の個人に対する医療行為・診断・治療の代替となるものではありません。記事に記載された内容は執筆時点(2026年3月)の医学的知見に基づいていますが、医学・医療の進歩により内容が変わる場合があります。食事療法や生活習慣の変更を行う際は、必ず担当医・管理栄養士にご相談のうえ、個人の状態に合わせた指導を受けてください。本記事の内容を実践したことによる結果について、監修者・クリニックは責任を負いかねます。