Youtube
TOPへ

ブログ

糖尿病 お菓子|血糖値を上げない選び方とHbA1c改善法

 

糖尿病 お菓子|血糖値を上げない選び方とHbA1c改善法

監修: 薗田憲司(内科医師・糖尿病専門医)|そのだ内科クリニック

「健康診断でHbA1cが高めと言われた」「甘いものを我慢しているのに数値が下がらない」そんな悩みを抱えていませんか?実は、糖尿病の血糖管理において大切なのは「完全に我慢すること」ではなく「正しく選んで、上手に付き合うこと」だと考えられています。

この記事では、糖尿病専門クリニックの現場で実際に患者さんが取り入れている、血糖値にやさしいお菓子・おやつの選び方をご紹介します。適切なおやつを上手に取り入れながらHbA1c 10%台から6%台に安定させた事例も見られています。

 

 

お菓子を我慢しても血糖値が下がらない理由

結論:過度な我慢によるストレスが、かえって血糖コントロールを妨げることがあります。

糖尿病管理において我慢だけでは血糖値が改善しにくい理由を説明する図。ストレスホルモンが血糖値に与える影響を視覚化

多くの方が「お菓子は絶対ダメ」と厳格に制限し、甘いものも揚げ物も我慢を続けています。ところが、HbA1cが7%台から下がらない、食事制限で一時的に痩せてもすぐリバウンドしてしまう、といったケースは少なくありません。

糖尿病はさまざまな要因が複雑に絡み合って発症する疾患です。同じ生活習慣でも発症する人としない人がいるのは、遺伝的要因や体質の違いが影響していると考えられています。そのため「あの人より食べていないのになぜ自分だけ」と感じるのは自然なことですが、過度なストレスは血糖値を上昇させるホルモン(コルチゾール)の分泌を促し、かえって血糖コントロールを悪化させる可能性があります。

実際の症例から

当院で治療中の50代男性Bさんの場合、初診時のHbA1cは8.2%でした。「お菓子は一切食べない」と決意され、3ヶ月間完全に我慢されましたが、HbA1cは7.9%までしか下がりませんでした。むしろ「食べたい」というストレスから、夜中に冷蔵庫を開けてしまうことが増えたそうです。

そこで、1日200kcalまでの好きなお菓子を楽しみながら、他の食事で調整する方法に切り替えていただきました。半年後、Bさんの HbA1cは6.5%に改善。「お菓子を食べられる安心感で、かえって食べ過ぎなくなりました」と笑顔で話してくださいました。

臨床現場では、適切なおやつを上手に取り入れながらHbA1c 10%台から6%台に安定させた事例も見られます。重要なのは「何を」「どれくらい」「いつ」食べるかという選択です

 

血糖値にやさしいおすすめお菓子・おやつ5選

結論:食物繊維やタンパク質が豊富で、血糖値の急上昇を抑える可能性のある食品を選ぶことが推奨されます。

糖尿病患者の人にも優しいおすすめのおやつ

第5位:無糖炭酸水(フレーバー付き)

無糖でありながらレモンや桃、マスカットなどの風味がついた炭酸水は、糖質ゼロで満腹感を得られる優れた選択肢です。炭酸ガスが胃を物理的に膨らませるため、間食の量を自然と減らせる可能性があります。

実際に取り入れた患者さんからは「お菓子を食べたくなったらまず炭酸水を飲む習慣をつけたら、自然と間食が減りました」という報告をいただいています。

また、炭酸水には腸を適度に刺激して腸内環境を整える働きがあるとされています。腸内環境の乱れは糖の吸収速度に影響し、血糖値の急上昇につながることが知られています。逆に腸内環境が整うとインスリンの効きが良くなり、同じ食事でも血糖値の上昇が緩やかになる可能性があります。

お菓子を食べたくなったら、まず炭酸水を1本飲む習慣をつけることで、間食の量が自然と減ったという報告もあります。

第4位:干し芋

干し芋は食物繊維が豊富で血糖コントロールの観点から見ても優秀なおやつです。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれており、水溶性食物繊維は糖の吸収を緩やかにし、食後の血糖値の急上昇(血糖スパイク)を抑える働きが期待できます。不溶性食物繊維は腸内環境を整え、インスリンの効きを良くする土台作りに役立つと考えられています。

さらに干し芋に含まれる糖は「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」に分類され、消化吸収がゆっくりであるため、そもそも血糖値を上げにくいタイプの糖質です。干し芋を食べると甘いのに腹持ちが良いと感じるのは、このレジスタントスターチの効果によるものです。

患者さんの中には「小腹が空いたときに干し芋を2〜3切れ食べるようにしたら、夕食のドカ食いがなくなった」という方もいらっしゃいます。

第3位:ギリシャヨーグルト(無糖)

普通のヨーグルトと比べて水分が少なく、タンパク質が豊富なのがギリシャヨーグルトの特徴です。タンパク質は筋肉を作るだけでなく、血糖値を安定させる働きも持っています。

ある研究では、糖尿病患者に高タンパク質の食事を提供したところ、HbA1cの改善とインスリン感受性の向上が見られたという報告があります。タンパク質は満腹感が得られやすいため、無理なく食事量をコントロールできる点も魅力です。

また、ギリシャヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が豊富に含まれており、腸内環境を整える効果が期待できます。腸内環境の改善は血糖値の安定だけでなく、便秘の改善や免疫力の向上、肌の調子を整える効果も期待されています。

第2位:フルーツ(適量を守って)

「糖尿病だからフルーツは禁止」と考える方も多いですが、実は適量を守れば食べても問題ないと考えられています。確かにフルーツには糖が含まれていますが、食物繊維やビタミン、抗酸化成分も豊富です。

抗酸化成分は、糖尿病による合併症(動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など)のリスクを下げる可能性があるとされています。正しく食べれば血糖値に悪影響を及ぼしにくいと考えられます。

フルーツを食べる際の3つのポイント:

  1. 量を守る: 1日80kcal、150〜200g程度が目安(りんご半分、バナナ1本、みかん2個程度)
  2. タイミング: 活動量の多い朝・昼に食べることで、エネルギーとして消費しやすい
  3. 小分けにする: まとめて食べず、少しずつ分けて食べる

血糖値にやさしいとはいえ、まとめて食べれば結局は血糖値が上がってしまいます。小分けにして少しずつ食べるのがポイントです。

第1位:あなたの好きなお菓子(200kcalまで)

実はこれが最も現実的で、長期的な血糖管理において重要な考え方です。糖尿病の治療において大切なのは、一生我慢することではなく「上手に付き合っていくこと」だからです。

多くの方が「お菓子は絶対ダメ」と制限され、我慢を続けた結果、ストレスが溜まって暴食してしまい、血糖値も体重も悪化してしまうケースがあります。ストレス自体が血糖値を悪化させる要因にもなります。

200kcalルールの実践例:

  • クッキー:2〜5枚
  • シュークリーム:半分程度
  • ポテトチップス:1/4〜1/3袋
  • 板チョコレート:半分程度

血糖値やHbA1c、体重は1つのお菓子よりも、1日の総摂取カロリーに大きく左右されます。成人女性なら約1,800kcal、成人男性なら約2,200kcalが1日の推奨摂取カロリーの目安です。

例えば昼食のコンビニラーメン(約600kcal)をおにぎり1個(約200kcal)、ゆで卵(約80kcal)、ギリシャヨーグルト(約63kcal)に変更するだけで、約200kcalのカロリーをカットできます。この分を好きなお菓子に充てることができるのです。

1日200kcalまでの好きなお菓子と、カロリー調整の具体例を示す図。糖尿病でも楽しみながら血糖管理ができることを視覚化

「今日は好きなお菓子を食べてもいい」という安心感があると、心理的ストレスも無駄な間食も自然と減っていく傾向があります。満足感を得ながら続けられる習慣にすることこそ、長期的な血糖コントロールの秘訣です。

実際、当院でもお菓子を適度に楽しみながら糖尿病を寛解レベルまで持っていける方はたくさんいらっしゃいます。要するに糖尿病やダイエットの食事管理は「制限」ではなく「調整」なのです。

 

血糖値に悪影響を与えやすいおやつ3選

結論:糖質が凝縮されていたり、液体状で吸収が早いものは血糖値を急上昇させる可能性があります。

糖尿病管理で注意すべきおやつ3選と、それぞれが血糖値に与える影響を説明する図。和菓子、ジュース、ドライフルーツの特徴を視覚化

血糖値やダイエットにやさしいおやつをご紹介してきましたが、逆に血糖値を上げやすいからあまりおすすめできないおやつも知っておくと安心です。多くの方が「手軽だから」「安いから」と取り入れがちなものもあるので、一緒に確認していきましょう。

第3位:和菓子

和菓子は脂質が少なくダイエットだけで考えるとおすすめですが、血糖値の観点では注意が必要です。小さくても砂糖が多く使われており、特にあんこ、白玉、餅、まんじゅうなどは炭水化物と砂糖が凝縮されています。

例えば、こしあん入りの大福1個(約60g)には約30gの糖質が含まれており、これは角砂糖約10個分に相当します。消化吸収も早いため、食後の血糖値が急上昇しやすい特徴があります。

実際に患者さんの持続血糖測定のデータを見ると、洋菓子よりも和菓子の方が血糖値の上昇角度が急な傾向が見られます。これは脂質が少ないぶん、糖質の吸収が速いためと考えられます。

ポイント

・丸ごと1個ではなく半分にカット

 

第2位:野菜ジュース・フルーツジュース

健康のために飲んでいる方も多いですが、市販のジュースは生の野菜や果物とは別物と考えるべきです。製造過程で食物繊維が取り除かれ、ほぼ糖分だけになった液体を飲んでいる状態になります。

液体であればあるほど血糖値は上がりやすく、特に果汁100%だから安心というわけではありません。生の野菜や果物と違って咀嚼や消化の過程がないため、血糖値が急上昇しやすいことが研究でも示されています。

診察で「毎朝、健康のために野菜ジュースを飲んでいます」という方がいらっしゃいますが、持続血糖測定で確認すると、野菜ジュースを飲んだ後に血糖値が急上昇しているケースが少なくありません。

ポイント
  • ・朝一番や空腹時を避け、食後に少量飲む
  • ・小さな紙パック(200ml)を少しずつ飲む
  •  

第1位:ドライフルーツ

一見すると健康的でおしゃれなイメージがありますが、実は血糖値にとっては要注意の食品です。水分が抜けている分、糖質がギュッと濃縮されており、生のフルーツに比べて2〜3倍、多ければ5倍以上の糖質になることもあります。

例えばドライプルーン4個分(約100kcal)は、バナナ中サイズ1本、もも大サイズ1個、キウイフルーツ小サイズ2個、みかん中サイズ2個と同じカロリーです。満腹感が得られないサイズ感なので、気づかないうちに何粒も食べてしまい、血糖値を急上昇させてしまう可能性があります。

患者さんの中には「ヘルシーだと思ってドライフルーツをおやつにしていたら、HbA1cが上がってしまった」という方もいらっしゃいました。

もちろん完全にNGというわけではありません。好きなものを制限されるのは誰だってキツいですよね。

ポイント

・手のひらに軽く乗る程度の量にする

  • ・ヨーグルトに混ぜて食べる
  •  

このように量や食べ方を工夫すれば、そこまで血糖値に影響を与えずに摂取できる可能性があります。

 

お菓子を食べながら血糖値を改善するための実践ステップ

結論:総カロリーを管理しながら、食べ方を工夫することで血糖値への影響を最小限にできます。

ステップ1:1日の総カロリーを把握する

成人女性:約1,800kcal、成人男性:約2,200kcalを目安に、自分の活動量に合わせて調整します。

ステップ2:お菓子の枠(200kcal)を確保する

他の食事でカロリーを調整し、好きなお菓子を食べる枠を作ります。

ステップ3:血糖値にやさしいおやつを優先的に選ぶ

食物繊維やタンパク質が豊富なものを中心に選び、満腹感を得やすくします。

ステップ4:食べるタイミングを工夫する

空腹時や朝一番は避け、食後や活動量の多い時間帯に食べることで血糖値への影響を抑えられる可能性があります。

ステップ5:小分けにして食べる

一度に大量に食べず、何回かに分けて少しずつ食べることで血糖値の急上昇を防ぎやすくなります。

 

 

よくある質問(FAQ)

糖尿病でもお菓子を食べて大丈夫ですか?

適量を守り、1日の総カロリー内に収めれば問題ないと考えられています。完全に我慢するよりも、上手に付き合っていく方が長期的な血糖管理に効果的です。ただし個人差があるため、主治医と相談しながら進めることが重要です。

どのくらいの量なら食べても良いですか?

1日200kcal程度を目安にすることが推奨されます。これはクッキー2〜5枚、シュークリーム半分程度に相当します。他の食事でカロリーを調整し、総摂取カロリーが適正範囲に収まるようにします。

和菓子と洋菓子、どちらが良いですか?

一概にどちらが良いとは言えません。和菓子は脂質が少ないですが糖質が凝縮されており、血糖値が急上昇しやすい傾向があります。洋菓子は脂質が多い分、血糖値の上昇が比較的緩やかになることもありますが、カロリーは高くなります。量とタイミングを守ることが重要です。

フルーツジュースは体に良いと聞きましたが?

市販のフルーツジュースは食物繊維が取り除かれており、糖分が素早く吸収されるため血糖値が急上昇しやすいです。同じフルーツでも、生の状態で食べる方が食物繊維を摂取でき、血糖値への影響も緩やかになります。

炭酸水は毎日飲んでも大丈夫ですか?

無糖の炭酸水であれば基本的に問題ありません。むしろ間食を減らす効果や腸内環境を整える効果が期待できます。ただし、甘味料入りの炭酸水は血糖値に影響を与える可能性があるため注意が必要です。

ギリシャヨーグルトは普通のヨーグルトとどう違いますか?

ギリシャヨーグルトは水分(ホエイ)を除去しているため、タンパク質が濃縮されています。普通のヨーグルトの約2〜3倍のタンパク質が含まれており、満腹感が得られやすく、血糖値の安定にも役立つと考えられています。

HbA1cが高くてもフルーツは食べられますか?

適量(1日80kcal、150〜200g程度)を守り、活動量の多い朝・昼に食べれば問題ないと考えられています。フルーツには抗酸化成分が豊富で、合併症予防の観点からも適度な摂取が推奨されます。ただし、血糖コントロールの状態によっては制限が必要な場合もあるため、主治医に相談してください。

お菓子を食べた後に運動すれば血糖値は上がりませんか?

食後の軽い運動は血糖値の上昇を抑える効果が期待できますが、お菓子を食べることを前提に運動で帳消しにするという考え方は推奨されません。総カロリー管理と適度な運動を組み合わせることが重要です。

 

 

まとめ:お菓子と上手に付き合って血糖値を改善しよう

糖尿病の血糖管理において、お菓子を完全に我慢する必要はありません。大切なのは「制限」ではなく「調整」です。1日200kcal程度の好きなお菓子を楽しみながら、他の食事で工夫して総カロリーをコントロールすることが、無理なく長く続けられる現実的な方法です。

血糖値にやさしいおやつを優先的に選び、食べるタイミングや量を工夫することで、満足感を得ながら血糖コントロールを改善できる可能性があります。実際に、適切なおやつを取り入れながらHbA1cを10%台から6%台に安定させた事例も報告されています。

ただし、糖尿病の管理は個人差が大きく、同じ方法でも効果が異なることがあります。必ず主治医と相談しながら、自分に合った方法を見つけていくことが重要です。

お菓子を楽しみながら、健康的な生活を続けていきましょう。

 

この記事を読んだ方へ、こちらの記事もオススメ

朝のヨーグルトは血糖値に影響する?糖尿病診療で見られる「+〇〇」の工夫

【医師が解説】糖尿病を悪化させるおやつ・改善するおやつTOP5|血糖値を上げない食べ方のコツ

【医師解説】糖尿病でも食べたほうがいい果物

糖尿病の症状とは?危険サインを現役医師が解説

 

参考文献:

  • 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」
  • PubMed ID: 39604044 - High-protein diet and HbA1c improvement in diabetes patients
  • PubMed ID: 31338545 - Protein intake and insulin sensitivity
  • 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」

免責事項:
この記事は糖尿病専門クリニックの臨床経験に基づいた一般的な情報提供を目的としています。個々の症状や治療方針によって適切な対応は異なります。具体的な食事療法や治療については、必ず主治医または管理栄養士にご相談ください。

この記事は2026年1月30日時点の医学的知見に基づいて作成されています。最新の情報は各医療機関または公的機関の発表をご確認ください。